働けなくなってから2年半。焦りや不安と向き合いながらも、自分らしく働ける場所を探し続けてきた一人の利用者さんが、この度、障がい者雇用での内定を勝ち取られました。「理想の環境に出会えた」と語るその表情は、達成感に満ちています。今回は、就労継続支援B型事業所である「恵佼会CADセンター」での日々を振り返りながら、内定までの歩みをお聞きしました。

内定を得た今の心境について
Q.内定の連絡を受けたとき、率直にどのようなお気持ちでしたか?
まずは、ほっとしたというのが一番の気持ちです。それと同時に、これでようやく家族に安心してもらえるな、という思いが頭に浮かびました。
Q:今の気分を一言で表すと、どんな言葉になりますか?
あきらめなくてよかった、という言葉に尽きます。働けなくなってから再就職が決まるまで2年半かかりましたが、粘り強く取り組んだ結果、理想の環境で働くチャンスを掴むことができました。

就職活動を振り返って
Q:今回のお仕事を選んだ理由と、面接に向けて準備したことを教えてください。
以前から経験のあった事務職を選びました。パソコン作業が好きなので、自分に向いていると感じたからです。面接では、長く働き続ける意欲があることや、そのために生活環境を整えていることを具体的に伝えました。恵佼会CADセンターでの訓練内容に加え、ChatGPTを使って自己分析を行い、自分の考えを文章にまとめたことが自信に繋がりました。
Q:就職活動中に直面した最大の困難は何でしたか?
面接の際、過去の体調不良について説明する過程でフラッシュバックが起きてしまったことです。涙が出てしまい感情のコントロールが難しくなりましたが、そこであきらめるのではなく、「現在は訓練と自己管理によって安定していること」を必死に伝え、今の自分を見てもらえるよう努めました。
Q:ご自身にとって、しんどい時の支えになったものは何でしたか?
就職活動中やプライベートで心が折れそうな時も、次の日の朝にCADセンターへ行けば、誰かとの何気ない会話が待っていました。その日常に何度も救われました。ここは、安心して落ち着いて過ごせる大切な場所です。

恵佼会CADセンターでの取り組み
Q:事業所での経験で、特に役立ったと感じることはありますか?
何より、毎日通所することで「自分は大丈夫だ」という自信がついたことです。企業の方にとっても、毎日の通所実績は大きな安心材料(アピールポイント)になります。また、複数人での軽作業を通してコミュニケーションの練習ができたことも、障がい者雇用で周囲と連携して働く上で、良い経験になったと感じています。
Q:利用を始めた頃と比べて、ご自身の中で変化はありましたか?
一番の変化は、障害を隠さず、自分らしくいられるようになったことです。客観的に自分を理解できるようになったことで、「どうすれば無理なく社会に適応していけるか」を前向きに考えられるようになりました。
Q:事業所の雰囲気や、印象に残っていることはありますか?
恵佼会CADセンターの職員さんや他の利用者さんは、皆さん本当に暖かいです。私の内定が就職活動をしている時も、自分のことのように応援してくれました。「自分は一人じゃないんだ」と、何度も励まされました。

これからの目標とメッセージ
Q:入社後、大切にしていきたい働き方を教えてください。
まずは業務をしっかり覚えることと、生活リズムを安定させることです。気分の波が出ることもあると思いますが、落ち込んだ時も無理をせず、自分のペースを守りながら継続して勤務していきたいと考えています。
Q:最後に、就職を目指して頑張っている仲間へメッセージをお願いします。
自分の障害を正しく知ることが、就職への一番の近道だと思います。症状に振り回されるのではなく、どうすれば安定して過ごせるかを職員さんと一緒に考え、日々の生活でコツコツ実践してみてください。

【スタッフからのメッセージ】
改めまして、内定本当におめでとうございます!
働けなくなってからの2年半という月日は、決して平坦な道のりではなかったと思います。体調の波に悩んだり、面接という緊張の場で過去の記憶と向き合う苦しさを感じたりしながらも、あなたは決して歩みを止めませんでした。
恵佼会CADセンターでの日々の通所を通して、少しずつ自分自身を客観的に見つめ直し、「障害を隠さず、自分らしくいられるようになった」という言葉を聞けたとき、私たちは本当に嬉しく思いました。どんな時も真面目に、そして誠実に自分と向き合い、コツコツと積み上げてきた努力こそが、今回の内定を引き寄せた一番の理由です。
新しい環境でも、まずはご自身のペースを大切に、生活リズムを整えることから始めてみてください。無理をせず、一歩ずつ進んでいくあなたを、これからもスタッフ一同心から応援しています!
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